パッシブデザインとは
パッシブデザインは、自然や環境が持つエネルギー(気温・日射・風など)を最大限に利用し建物を設計することで、エネルギー消費を抑え、快適・安心な生活環境を作る設計手法です。
自然のエネルギーを上手く活用し建物の構造(断熱)に工夫を加えることで、空調機器(エアコン)の稼働を最小限に抑え、省エネルギー効果を高めます。光熱費の軽減が大きく期待されます。
また、室内の気温環境のみならず、日射取得や通風効果もパッシブデザインの特徴です。窓の高さ、配置、サイズを工夫し設計することで、夏の強い日差しを効率よく遮断したり、日照の少ない冬でも十分な明るさを確保することが可能です。
パッシブデザインの概要
パッシブデザインのポイント
ポイント① 断熱
高断熱で省エネ性を兼ね揃えた住宅は、これからの住宅のスタンダードになっていくでしょう。断熱とは住宅の内部の温度を外に伝わりにくくすることです。
夏にクーラーで冷やした空気、冬に暖房で温めた空気を外に逃がしにくくするためには、断熱性能に優れた住宅が必要です。外の暑さ寒さの影響を受けにくくなり省エネの効果も向上します。
【断熱性能 Ua値】
Ua値とは、「外皮平均熱貫流率」のことで、住宅の内部から外壁、床、屋根や開口部(窓)などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値のことを指します。
このUa値が小さければ小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能に優れた家といえます。
省エネ法の改正により2021年4月から住宅の断熱性能について、工務店や設計士からお客様への説明が義務化されることになりました。省エネ計算を実施し、その性能を正確に伝える必要性があります。


ポイント② 昼光利用と日射熱利用
窓の配置やサイズを工夫することで、自然光を最大限に取り入れ快適な空間を作ります。
昼光利用は昼間の明るさを室内に取り入れ、人工照明の利用を減らし照明エネルギーを削減します。日射熱利用は日射熱を取り入れて暖房に利用することです。高断熱の家+日射熱を利用することで、冬の時期の暖房効果が期待できます。
省エネ性能もUPします。
※立地条件、周囲の環境によって効果は異なります。


ポイント③ 通風
「風通しのよい家」を計画するうえで、日射利用同様に開口部の高さ位置に加え方位・防犯・プライバシーなど、細やかな配慮が必要です。日本の風は基本、南から北へ吹くと言われています(地域差、立地条件、季節よって異なります)。自然の風をスムーズに取り込むためには南北2面に窓を配置することが効果的と考えられます。また、空気は質量が軽いため上昇する性質があります。この性質を活かし、低い位置と高い位置に窓を配置することで換気に役立ちます。